しまった、カミさんに転職のことを話すのを忘れてた...
2019/05/03
転職先から内定はもらえたし、なぜかこの歳で年収アップできそうだし、おまけに管理職になれそうだし、追加退職金ももらえそうだ!
よかった、よかった…
あれ、何か忘れてない?
あ、カミさんへの報告を忘れてた。
というか、潜在意識が避けていたというべきかも。
なぜって、どう考えても、ひとモメしそうだからですよ。
まあ、ウチに限ったことじゃないんでしょうが、カミさんというのは、とかくリスクに敏感です。
安定した生活を脅かす変化には、過剰なまでに反応する。たぶん、これって女の人の本能的なものなんでしょうね。
私の偏見だと思う人は、黒川伊保子さんという人工知能研究者がまとめた「妻のトリセツ」というベストセラーを読んでみるといいかもしれません。少なくともベストセラーになるくらいだから、この本の内容に共感している世の夫が大勢いることは間違いないでしょう。
まあ、それくらい、何かを変えようとすると、カミさんの抵抗は大きいので、ある程度、覚悟はしてたんですが…
「ちょっと話があるんだけど…」
「なによ、今日は疲れてるのよ」
「じゃあ、週末に時間をくれるかな」
「なんの話?」
案の定、取りつく島もありません。仕方なく、週末まで待ってから、話をすることにしました。
「実は、外資系の会社に内定が決まったんだ。年収200万くらいアップするんだぞ」
「突然、何言ってるの?」
あ、マズい。
「会社辞めるなんて、いつ決めたのよ」
う…
「外資なんて、使えない人はすぐクビになるわよ」
うう…
「娘がまだ中学生なのに、これから先どうするの?」
まあ、ある意味、こうしたリスク要因を次から次へと思いつけるのはスゴイかもしれないけれど...
「別れる。もう別れるわ。この家と退職金を全部置いて、出ていって」
ウチの場合、こうなると何を言っても話を聞かなくなってしまうので、とりあえず、近所のゴルフ練習場に逃げ出しました。
で…帰ってみると、なんと! 家の玄関に内カギがかかっていて、入れないじゃありませんか。
家から締め出しを喰わされるのは久しぶりのことです。10年ほどまでに、会社の先輩と一緒に行ったチャイナパブで、お店のお姉さんからもらった名刺がスーツのポケットから発見されて以来のことです。
結局、2時間ほど家に入れてもらえませんでした。やっと家に入れてもらって、それから延々と、妻に事情を説明しました。
退職金が加算されること
今より年収が200万円も増えること
住宅ローンも繰上げ返済できるから月10万円余裕ができること
娘の学費の心配もなくなるだろうこと…
「会社を辞める」という事実にビックリしていたようですが、あきらめずに説明と説得を続けると、少しずつ状況を理解してくれたようです。
「このまま会社に残っても給料は上がらないどころか減っていくばかり。この歳でいい条件で受け入れてくれる会社なんてなかなかない。しかも今辞めれば、8年後まで働いて定年で退職金をもらうより1,500万円も余分にもらえる」
ただ、なんといっても効果があったのは、「妻のトリセツ」に書いてあった「キミのことを考えて…」という言葉でしょうね。
「キミには今まで、いろいろと苦労をかけて、オレも気になっていたんだ。なんとかしなくちゃいけない、って思ってたんだけど… 今やっとチャンスが来たんだよ」
相手のメリットをきちんと伝える、っていうのが大事なんですね。ちゃんとわかってくれました。
カミさんとは長いこと冷戦状態だったんですが、最近は
「新しい会社って、スーツ・ネクタイなの?」
なんて言って、頼まなくてもワイシャツを買ってきてくれたりするようになりました。
うーん、転職の効果というべきか、「妻のトリセツ」のおかげなのか…
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